土地選びのコツと群馬県民に聞いた「その家いくら?」
こんにちは。デザインHIRAYAのシンクホームです。
家づくりを考え始めると、壁とも言えるいくつかの大きな悩みが立ち塞がります。
その中の一つが、土地のことです。
そして、土地を考える上では、まずお金のことが真っ先に思いつくでしょうか?
広く、立地も良ければ値段は高いですし…
値段が安いからいいなと思っても、カタチは悪いし、立地も悪い…
「じゃあ、どのくらいの大きさでいくらの土地を探せばいいの?」
と思いたくなりますが、それはご家族それぞれにとってのベストがありますので、一概には言い切れないお話になります。
とは言え、町で見かけるあの家やこの家は一体どのくらいの広さなのか?
そもそもいくら掛かっているのか?
気になるところではありますよね…
今回は、土地選びのお話と費用の考え方についてです。
実際に群馬県内での土地取得と新築時の費用や広さの平均などについてもお話しながら、お伝えしていきます。
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◇【2022年度版】群馬県民に聞いた「その注文住宅いくらで建てた?」
【2022年度版】群馬県民に聞いた「その注文住宅いくらで建てた?」
まずは気になる費用についてのお話です。
町で見かけるおしゃれな注文住宅は、一体いくらで建てているのか?
建物の大きさは?
土地の広さは?
実際に群馬県内での平均をまとめたデータがあります。
それが、長期固定型金利の住宅ローン「フラット35」を提供している住宅金融公庫による「フラット35利用者調査」です。
全国から各都道府県毎の、「フラット35」を利用して土地取得から新築で注文住宅を建てられた方の平均になっており、最新の2022年度版が今年の8月に公表されました。
それでは、群馬の平均費用はどのぐらい掛かっているのかと言うと…
2022年度の群馬の平均所要資金
(注文住宅新築+土地の取得)
4070.1万円
建設費:3280.2万円 土地取得費:789.9万円
家の大きさは…約34坪(113.5㎡)
土地の広さは…約100坪(333.6㎡)
参考までに2017年からの集計表と推移をご確認ください。
ここ1、2年で物価の上昇、値上がりなど様々なニュースで目にしているのでご承知かとは思いますが、住宅業界ももれなく値上がりを続けております。
最近に限った話ではなく以前から少しずつ、という具合ではありましたが…
実際、建設費について5年前の2017年度から比べて500万円以上も平均費用が上がっています。
さらに気になるのは家の大きさ、「住宅面積」です。
ほぼ横ばいにも見えますが、徐々に小さくなっている傾向です。
つまり、建設費用が上がりつつ、建物自体は小さくなっている、ということです。
そう聞くとあまり良い気持ちではありませんが…
幸い、最近ではミニマルな暮らし方というものが浸透してきました。
必要なものだけを取り入れ、揃えて暮らす家です。
SNSでも様々情報が出回り、アイデアも豊富となりました。
玄関→トイレ・階段→リビング・和室・キッチン→洗面・お風呂、2階に3部屋とトイレというような家はイメージつきますでしょうか?
よくある建売住宅のイメージではありますが…
この家の無駄って分かりますか?
分かりやすいところで言えば、廊下部分です。
少なく見積もっても、廊下部分と階段を併せて3坪程度は余分となります。
実に6畳分です。
他にも建売であれば、こんな感じなら使いやすいだろうという予想で各部屋の広さなども決まっています。
実際に住まわれることを考えた際に、そこまでの広さが必要ないこともあるでしょう。
徹底したミニマルな暮らし、とまではいかなくとも、そうした余分を省くことでコストは十分に抑えられます。
家の大きさの平均は約34坪とお伝えしましたが、今さらっとお伝えしたことだけでも、30坪以内に収めて家づくりすることは可能だとお分かりいただけたかと思います。
上手に必要なものだけを取り入れて建てることで、大きさに囚われずに、十分な広さを確保しつつもコンパクトに建てることが可能です。
「余分を省き、必要なものだけ」
それを知る為に「どんな暮らしをしたいのか?」をしっかりと考えることが大切です。
土地選びの「はじめの一歩」
「どんな暮らしをしたいのか?」
ある程度イメージができていると理想的ではありますが、建物自体を決める必要まではありません。
漠然としたイメージでも…「こんな感じの建物で」「庭はこのくらいで」「車は〇台停められて」と考えることで、大体どのくらいの土地が必要なのかが分かってきます。
「平屋は最低でも70坪、100坪は無いとダメだって言う住宅メーカーもあるし…」
と、考えるのは早計です。
50坪だとしても平屋は建てられます。
広々とした庭は難しいかもしれませんが、それなりの庭と車も2、3台停められるスペースを確保しつつ平屋を建てることは十分に可能です。
広い土地なら庭でできることは無数に広がりますし、建物にも制限はなくなります。
狭い土地だとしても、取得費を抑えられたのなら、その分建物の性能や設備にお金を掛けることができます。
まずは「どんな暮らしをしたいのか?」を、しっかりとイメージをしてください。
そのイメージを元に必要な建物の大きさや土地の大きさが分かってきます。
大体のイメージで十分です。それが土地選びのベースになります。
知っておきたいカタチの話
土地は様々な要素で値段が設定されています。
その中の分かりやすいものが、カタチです。
土地には様々なカタチがあります。
一番の理想は「整形地」です。ほぼ正方形に近いカタチの土地です。
大きな土地をキレイに分けて整備して売られている分譲地など、住宅用地として整備された土地であることがほとんどです。
水道なども整備されていることが多いため、安心材料が多いのが「整形地」になります。
ただし、その分金額は高くなります。
色々探していると細長い土地や三角形の土地も目にすることでしょう。
三角形の土地だと、角が余分なスペースになりやすいので無駄になりがちですが、その分安いのが魅力ではあります。
どの方角を向いているのか、道路に面しているはどこなのか、など場合によってはあまり気にならずに建てることも可能です。
細長い長方形についても、東西に長いのか、南北に長いのかで変わってきます。
南に面した庭が欲しいのであれば、南北に長い土地が必要ですが、そうでないのであれば、東西に長くても良いと言えます。
このような不整形地は郊外に多い傾向です。
そして、郊外の土地は住宅用地であっても地目は畑のことがあります。
農地転用などが必要になり、時間が掛かることだけではなく、地盤改良が必要になるケースが多くなります。
市街地から離れると元が畑であるケースは多いので、この辺りも考慮する必要があります。
そして、旗竿地というカタチもあります。
正に旗のような形をした土地のことです。
道路に面した細長い通路部分から入り、奥に広いスペースのある土地で、四方を住宅などの建物に囲われていることが多いため、日当たりが悪くなるケースが多いです。
道路から少し入るので静かなため、自分たちだけで落ち着きたいと考えている方にはうってつけです。
また、道路から離れているために、子どもの飛び出しなどの心配がなく、子育て世帯にとっても見守りがしやすいのが旗竿地です。
昔からの住宅地にあるケースがほとんどなので、他所から急に入るのに抵抗はあるかもしれませんが、事前よく下調べをしてどんな方が近所に住んでいるのか確認をしておけば安心でしょう。
旗竿地の場合、周辺よりも安くなる傾向にあるので、日当たりの問題などデメリットがクリアできればお買い得な土地と言えます。
群馬の土地の選び方
さて、群馬の土地の選び方ですが…
究極的には、どこでも良いと思います!
急に投げやりでしたね…
ただ、群馬であれば車移動は当たり前になってきます。
例えば東京であれば、○○駅の徒歩圏内、〇×線に乗り換えがしやすいように…
などと考えなくてはいけませんが…群馬であれば、そこまで駅のことを加味するのはレアケースでしょう。
強いて言うなら、主要道路へのアクセスの良さでしょうか?
前橋市内で言えば、国道17号や50号、上武道路やI.Cが近いかなどです。
また、距離に関わらず、いかにアクセス良く主要道路に出られるかも、朝の通勤時には大切になります。
まずは、通勤・通学にどこまで時間を掛けられるのかで考えてみると良いのではないでしょうか?
また、新しい道路の開通など、アクセスが良くなっている地域があります。
前橋市市内・高崎市内への通勤に、箕郷町や榛東村なども最近注目の地域などではないでしょうか?
ここで問題となってくるのは小学校区でしょう。
他には、通学先などへのアクセスです。
周辺にコンビニは欲しい、街灯が少ないのは不安、などのこだわりもしっかりと考えましょう。
既存の住宅地の売地に入るのか、新興の分譲地に入るのかで、近隣の方の年齢層などが変わってきます。
新しい分譲地であれば子育て世帯の30台前後が中心となりますので、そこに合わせたいという方にはマッチしています。
ただし、隣近所の方がどんな方になるのかは分かりません。
既存の住宅地に新築する場合には、周囲の年齢層が高い傾向にはなります。
どんな方が暮らしているのかが既に分かっているので、事前に周囲をまわってリサーチも出来ますし、挨拶をするなりして人となりも見られます。
アクセスの良さ、周辺環境、既存なのか新興の住宅地なのかなどを良く考えることで、土地を探すエリアが決まってきます。
大事なことは、エリアを決める時にはなるべく広い視野で考えると、良い物件に巡り逢える可能性は高くなるということです。
周辺のリサーチ、と少し触れましたが…
検討する土地の平日・休日の朝昼晩と計6回は足を運んでみるとより良いでしょう。
周囲の状況やどんな人がどう暮らしているのかが見えてきます。
また、朝の通勤時間帯に周辺の道路状況を確認しておくこともとても有効です。
どこに住めばいいの?
一気に話を進めてしまいましたが…
・職場や学校などの起点からどれだけ離れても良いのか?
・周囲に家が無いのが理想 または 家がまとめっている方が良い
などの基準をベースに、「どこまで妥協できるのか?」ということになります。
残念ながら、理想の立地・広さ・値段の揃った100点満点の土地は存在しません。
70点~80点の土地を探しましょう。
例えば…
・理想の地域内の800万円で理想よりも狭い土地A
・理想の地域から車で20分離れた700万円で理想の広さの土地B
・理想の地域から車で30離れた600万円で理想よりも広い土地C
どれを選びますか?
場所で選ぶのか…
金額で選ぶのか…
また、土地を抑えた分、建物にお金を掛けるという選択肢も出てきます。
まずはある程度エリアを絞りつつ相場感を知りましょう。
それから、近隣エリアについても知っておくとより理解が深まります。
そして、基準値から半径○○㎞以内など、東西南北広い範囲で探すようにすると、より可能性は広がります。
そして、大事なのは…
「どこまで妥協できるのか?」「何を優先するのか?」を明確にしておくことです。
安い土地にはご用心!
一概には言えないことではありますが…
周辺の同規模の土地よりも割安な土地や郊外の土地を検討する際には注意が必要です。
一つの理由として、敷地内への水道引き込み工事が必要になるケースがあるからです。
前面道路にまで配管がきていれば数十万程度で済みますが、さらに遠くの配管からの工事となるともっと必要になることもあります。
今までに建物が建ったことのない土地で、周囲に住宅が無いなどの土地だと、引き込み工事費用が高くなる傾向にあります。
水道引き込み工事のように、建物を建てるために土地を整備する必要がある場合があります。
その他には、地盤改良工事です。
地盤が弱いと、建物が沈下する恐れがあります。
その心配のないように、地盤を強くする工事が必要になるケースがあります。
地盤の強度は地盤調査によって分かります。
調査会社に依頼して、問題が無ければ地盤の強度についての保証を受けることになります。
ただし、保証をしてもらうためには強度不足であってはいけないために、改良工事が必要と判断をされる場合があります。
その改良工事の費用で数十万~数百万円掛かります。
ちなみに改良工事もその調査会社が行います。
ですので、調査会社側からすると、改良工事をしてもらう方が良いという側面もあります。
保証をするのだから、当然と言えば当然ですが…
そのために、本当に工事が必要なのか?費用は妥当なのか?
などを明確にするにために、地盤調査のセカンドオピニオンをオススメします。
私たちシンクホームでは、基本的には地盤調査を2社依頼します。
2社目で問題無く保証を受けられた場合、お客様と再度相談して、改良工事をするのかを検討します。
畑の場合には改良が必要なケースが多くなるとお話しましたが、市街地だから、以前に建物が建っていたから
と言って、必ずしも安心できるかと言うと、そうではありませんので、お気をつけください。
古い建物であれば、当時には地盤調査をきちんとなされていないケースも多いので、今になって調査した結果、強度不足ということは多々あります。
市街地だからと言って必ずしも安心ではありませんし、地盤強度は調査をしないことには分からないことなので、費用については多少の余裕を持っておくことも大切です。
絶対に間違えのない土地の選び方
ここまでで、土地選びについて考えるべきことがお分かりいただけましたでしょうか?
色々考えると複雑なこともありますが…
ここで、土地選びについての”とっておき”をお教えします。
土地選びで失敗をしないための最大のコツです。
それは、「住宅会社とともに探すこと」です。
不動産会社に相談するのではありません。
住宅会社です。
不動産会社はもちろん土地のプロですが、あなたが欲しいのは家を建てるための土地です。
不動産会社は、あなたがどんな家を建てたいのかは知りませんし、知ったとしてもどのくらいの広さの土地があれば良いのか、どのくらいの費用が掛かるのかまでは分かるはずがありません。
土地に掛ける費用と建物に掛ける費用のバランスを良く考えながら探す必要があることは、ここまでのお話でお分かりいただけたかと思います。
ですので、まずは信頼のおける住宅会社を探すことから始めましょう。
そして、どんな家を建てたいのか、どんな暮らしをしたいのか、イメージをしっかりと伝えましょう。
住宅会社は家を建てるプロです。
ですので、そのための土地探しも、家を建てるプロに相談するべきです。
注文住宅を建てる際に、先に土地を決めてしまうのはもったいないです。
土地を先に決めてしまうと、建物の予算も自ずと決まってしまいます。
あなたに、家を建てるための土地探しについて絶大な自信があるのであれば話は別ですが…
大抵の方にとっては、家を建てるのも、土地を探すのも初めてであることでしょう。
本当ならもっと小さい土地でも良かったのに、「平屋なら100坪は無いと建てられない」と不動産屋や他の住宅会社から言われたことを真に受けて、既に土地の契約をしてしまうと、簡単には後に戻れません。
そして、もし土地の購入にも住宅ローンを考えている方であれば、土地を決めてから住宅会社を探そうと思うと時間が足りずに焦って決めてしまうことにもなりかねません。
住宅ローンを申し込む際には住宅会社を決めて建物の見積りも必要になりますし、土地の契約において、多少の猶予期間は設けてはもらえるものの、申し込みからあまりに長期間空いてしまう場合に、売主から最悪の場合に契約の解除をされてしまう恐れもあります。
そこまでに至らなくとも、売主から急かされながら住宅会社を探すのでは、焦ってしまって冷静な判断も出来ず、家づくりで失敗をしてしまうことになるかもしれません。
そんな後悔をしないためにも、まずは理想の住宅会社を探すことから始めましょう。
土地について一切相談に乗ってくれない住宅会社があるハズがありません。(おそらく)
まずは、しっかりと相談に乗ってくれる、信頼のおける住宅会社を探しましょう。
そのために、しっかりとどんな暮らしをしたいのかのイメージを考えて、優先順位を決めることです。
土地の考え方、理想の外観や設備、間取りなど、とにもかくにもそれが全ての基準となります。
おわりに
土地の取得+注文住宅の新築
群馬の平均所要資金
4070.1万円
建設費:3280.2万円 土地取得費:789.9万円
群馬県内における平均所要資金と土地選びのお話をさせていただきました。
およそ790万円の平均土地取得費ですが…
市街地であれば1,000万円は優に超えますし、郊外に出れば500万円に収まるかもしれません。
市街地に住むために建物を抑えるのか…
それとも多少不便になろうとも建物に予算を掛けるのか…
何度もお話をしていますが、まずはどんな暮らしをしたいのか、新しい家の理想の間取りや設備、何にお金を掛けたいのかなど、しっかりと優先順位をつけて決めてください。
その基準がしっかりと決まっていれば、土地を選ぶだけでなく、理想の住宅会社を決めるための指針にもなります。
平均所要資金を見ると、テンションは下がってしまうかもしれませんが…
ちょうどいい土地に無駄なく理想を叶えた建物を建てることができれば、自身の予算に収めた家を建てることは十分に可能です。
まずは理想の住宅会社を探し求めましょう。