『全館空調システム』は絶対に要らない!?-最もお得な全館空調?-
こんにちは。デザインHIRAYAのシンクホームです。
以前からCMでもよく目にして、一般的にも知られるようになった「全館空調システム」。
新築で検討される方もかなり増えてきた印象ではありますが…いかがでしょうか?
冷暖房のムラなく、全部屋快適に過ごせる…
でも、実際どうなの?
そもそも「全館空調システム」って何?
メリット?デメリットは?
今日は、高性能住宅を建てる上で検討はマストとも言える「全館空調システム」についてのお話です。
新築時のエアコン、換気はどう考えれば良いのか?
これを読めば、答えが出ます。
「システムに頼らない全館空調」のヒミツについても、お教えします。
<INDEX>
◇いきなり結論!「全館空調システム」は…
いきなり結論から先に話してしまえば…
「全館空調システム」は必要ないと言い切れます。
「全館空調」は快適です。
最近では当たり前になってきたとも言える高気密・高断熱の家づくりにおいて、「全館空調」はとても相性が良いとも言えるでしょう。
ですが、そのメリット以上にデメリットの方が上回ると考えます。
答えから先にお話してしまいましたが、これから解説をしていきます。
きっとご納得いただけると思います。
「全館空調システム」って何?
一言でまとめると、「エアコン一台で全部屋快適!」というイメージでしょうか?
床下や小屋裏にダクトを張り巡らせ、吸排気をしつつ、一台(または二台)の空調ユニット(専用エアコン)によって全部屋に冷気・暖気を送ります。
リビングに一台、寝室に一台、子ども部屋にもそれぞれ一台…と各部屋にエアコンを取付ける必要がなく、冷暖房のムラもなく高効率です。
各メーカーによってシステムなどに違いはありますが…
家全体の空気をまとめて調整をするのが「全館空調システム」となります。
「全館空調システム」のメリット
家の中をまるまる空気調整することによるメリットをお伝えします。
メリット①とにかく家中快適
小屋裏などのダクトを通じて全部屋と繋がり、家の中全体の空気を調整。
各部屋や廊下に温度差が無くなり、どこにいても快適な温度に保たれています。
脱衣場も快適に調整されるため、冬場のお風呂上りのヒートショックの心配も軽減され、健康的な住まいとも言えます。
高効率で家中まるごと快適に保つことができる…「全館空調」最大のメリットです。
メリット②自由自在な空間デザイン
リビングなど目のつくところにエアコンを取付ける必要がないため、おしゃれですっきりとした空間にすることができます。
また、リビングに大胆な吹き抜けを設けたり、広々とした大空間にするとエアコンの空調効率が悪く、冷暖房にムラが生じることがあります。
「全館空調」であればそのようなムラもなく、家中高効率で空気を調整することができます。
メリット③換気システムで空気をキレイに
メーカーなどによっても違いますが、「換気システム」を兼ねている場合が多いです。
換気にも種類がありますが、この場合は「第1種換気」と言い、給気から排気までを機械で行う換気システムとなります。
外気を給気する際に、埃や花粉、PM2.5なども一緒に室内に入ってきてしまいますが、高性能なフィルターを介することで室内にはキレイな空気だけを取り入れます。
(第3種換気でももちろんフィルターがあります)
「全館空調システム」のデメリット
先に結論をお話したので、とても気になるかと思いますが…
デメリットについてのお話です。
デメリット①ムラは無いけど無駄はある
何度も言いますが、家中まるごと空気を調整します。
つまり、誰もいない部屋についても冷暖房がきくことになります。
家族全員リビングにいるのに、全ての部屋でエアコンがついている状況とは、とても無駄ですよね?
「全館空調は高効率で省エネ」と謳われていますが、無駄な電力を消費していないとは言い切れないでしょう。
それこそ、将来お子さんが自立して出て行ってしまったら、より無駄ではないでしょうか?
フロア毎にエアコンを設置するシステムであれば、多少の無駄は軽減できるかもしれませんが、それによる設置費用はまた高くなるとも言えます。
機能としては、温度の高め・低め程度の設定は各部屋で行えますが、1部屋だけ使わない、という訳にはいかないということをよく理解しておきましょう。
デメリット②空気の共有は匂いの共有
空調、換気を家中に張り巡らせたダクトを通じて行いますので、各部屋が全て繋がっている状態となります。
誰かが自室でタバコを吸ったりすれば、多少は薄まりつつも、全ての部屋に匂いがまわってしまいます。
デメリット③故障すれば、全て全滅
空調ユニットであるエアコンが故障してしまった場合、一台で賄っていた冷暖房が全滅してしまいます。
春秋であれば我慢できるかもしれませんが、最も業者が忙しくなる真夏に故障してしまった場合、一体どれほどの期間冷房が使えなくなってしまうのか分かりません。
また、故障時にダクトなどはそのまま使用できますが、空調ユニットは通常のエアコンとは異なるために、コストも大きく掛かります。
他にも、給気ユニットが故障した場合にも、ユニットの交換が必要になる場合もあるなど、交換部品などが通常のエアコンよりも多くなりますので、その分費用が掛かってきます。
メーカーによっては10年保証をしているところもありますが、大体エアコンが寿命を迎えるのは10年を超えたあとからの印象ではありますので、なんとも…
デメリット④メンテナンスはどうするの?
給気のフィルターはメーカーの設定通りにしっかりと行った方が良いと言えます。
メーカーによっては有料で定期メンテナンスを提示しているところもあります。
ここで気になるのはダクトの掃除ではないでしょうか?
全てのメーカーでどうなっているのかまでは言い切れませんが…
ダクトについてはメンテナンス不要と謳っていることがほぼ全てのメーカーに共通しているようです。
フィルターを通しているために、ダクト内に埃などが侵入することはないと、メーカーは考えているからです。
先にお話した通り、フィルターをしっかりと掃除、交換などしていれば問題はないのだと思いますが…
実際に「全館空調」を採用して住まわれている方の情報を見ていると、ダクト内に埃が溜まっているケースがほとんどのようです。
メリット③で空気がキレイと挙げましたが、埃などの溜まったダクトを通じて各部屋に行き渡る空気は、はたしてキレイと言えるのでしょうか?
さらに、メーカーの有料メンテナンスではダクト清掃の項目は設定が無いようです。
(※全メーカーでそうなのかは分かりません)
「ダクトは汚れない」と考えているからです。
業者に頼む場合にも、住宅用空調システムのダクト清掃を対応していないところもあり、頼めたとしても費用が割高なケースが多いようです。
デメリット⑤空気がキレイはウソ?!
先ほどもお話しましたが、もしもダクト内に埃が溜まってしまった際にはどうなるのか?
家全体、各部屋に送り込まれるのは、埃まみれのダクトを通った空気になります。
さらに、ダクト内にカビでも生えたら…
そのダクトを通った空気を吸って生活できますか?
メンテナンス次第ではあるかと思いますが…
実際にはどこまで細やかに手入れができるのかです。
ちなみに、全館空調というよりも、ダクトを使用した第1種換気に対して言えることでもありますね。
空調、換気の最適解?
「全館空調システム」のメリット、デメリットをお伝えさせていただきました。
いかがでしょうか?
比べてみると、デメリットの方が大きいのではないでしょうか?
コストで見ても「全館空調システム」にした場合100万円以上費用が上がるとも言われております。
初期費用だけではなく、メンテナンスや修理・機器交換時にも決して安くはない維持修繕費用が掛かります。
新築時の快適性でいえば、やはり「全館空調」は優れているのだと思います。
お風呂上りでも寒くないし、全部屋快適…
機械による集中換気で、フィルターを通したキレイな空気…
とても魅力的ではあります。
何より、「最新の高性能住宅」に住めることで生まれる満足感も大きいでしょう。
しかし、コストやデメリットのことと比べると、かなり割高なメリットではないでしょうか?
空調はよくある壁掛けエアコンで、換気システムについては第3種換気を採用するのが最もコストパフォーマンスも良いのではないでしょうか?
※第3種換気:各所に設けられた吸気口からの自然給気と機械による換気方法
シンクホームのご提案する「全館空調システム」?
私たちシンクホームでは、空調は壁変えエアコンで、換気には第3種換気が基本のご提案となっております。
冷暖房のムラがあるんじゃないの?
電気代も、無駄があるんじゃないの?
と疑問に思うことでしょう。
実際、無駄がないかと言われれば…エアコンの効きに全くムラがないわけではないので、無駄な電力消費も否定はしきれません。
しかし、今までお引渡しをして、今現在生活をされているお客様たちに、後悔をされている方はいらっしゃいませんし、皆さま夏も冬も十分すぎるほど快適に過ごされているとおっしゃっていただいております。
電気代の無駄についても、100万円以上の初期費用及び維持修繕費用と比べて、ペイできるほどのメリットがあるのか…簡単な計算では出せませんが…難しいのではないでしょうか?
また、私たちは家族との繋がりを大切にした平屋の家づくりを推奨しております。
暮らしやすさなどを考え、余計な空間を排した無駄の無い設計を前提にしております。
その結果として空間自体にも繋がりが生まれ、空調自体もリビングのエアコン一台で、ほぼ全部屋を賄えるに至っております。
私たちの提案している商品企画のうちの一つ「平屋でもない2階建てでもない美しい日本の家casa amareカーサアマーレ」は、大きな吹き抜けで上下階に繋りを生み出しております。
カーサアマーレの家でも、吹き抜けの少し高めの位置にエアコンを設置することにより、家全体の冷暖房のカバーできております。
まさに「システムに頼らない全館空調」、
メンテナンスフリーの「全館空調システム」と言えるでしょう。
大切なのは「家族の空間」?「個人の空間」?
確かに、「無駄なく効率よく」空調を使いたいのであれば、「全館空調システム」は間違いないでしょう。
無駄なスペースを排したりする必要もなく、個々の部屋が離れたとしても関係なく、家全体に冷暖房を効率良く効かせることができるため、間取りの自由度も高いと言えるでしょう。
しかし、個々の部屋を快適にしてしまうのは、実際はどうなのでしょうか?
もちろん、家族がどう考えるのかではありますが…
あまり個室を快適にし過ぎてしまうと、リビングに家族が集まる時間が少なくなってしまうのではないでしょうか?
最近は、子どもの勉強にリビング学習がだいぶ浸透してきました。
子ども部屋についても4畳半など、寝るのに十分なスペースを確保できれば良いとの考えが主流です。
家全体まるごと全部を快適にすることにこだわるあまり、家族の繋がりが薄まってしまっては元も子もないと考えます。
であれば、多少不都合があっても、リビングさえ快適にすれば家族は集まるのですから、その方が家族にとっては良いのではないでしょうか?
とは言っても、シンクホームの家づくりでは、どこでも無駄なくとまではいかないまでも、十分すぎるほどに快適な家づくりを提供できております。
実際にどうなのかは、「オーナー邸見学会」を都度開催しておりますので、お住まいになられているオーナー様から住み心地をお聴きください。
何度も言いますが、大切なのは「家族の在り方、暮らし方」をどう考えるかです。
「全館空調システム」にこだわる家族の理由があるのであれば、もちろん優先をするべきです。
おわりに…
いかかでしたでしょうか?
実際に「全館空調システム」を前向きに考えている方には余計なお世話な話かもしれませんが、検討中の方には参考になったのではないでしょうか?
余談かもしれませんが…
実際に「全館空調システム」を導入された方のお話です…
新築から数年後、お子さんが自立されて家を出ていき、ご主人も単身赴任…奥さん一人での暮らしになってしまったお宅では…
誰もいない部屋にまで冷暖房が行き届いている…
お一人だけの生活なのに、以前と変わらない電気代の請求…
これこそ、無駄な電力消費なのではないでしょうか?
また、交換費用についても触れましたが、いつかは空調ユニットであるエアコンも交換が必要になります。
実際には、その交換時期に、「全館空調」をやめて、壁掛けの普通のエアコンに変えることを検討される方も多いそうです。
メリットを考えるととても良いシステムではありますが、費用のこと、メンテナンスのこと、自分たちの暮らしのことをよく考えて検討していただけると良いかと思います。
また、シンクホームの家でみられる「システムに頼らない全館空調」と言う考え方もあります。
まずは、お気軽にご相談ください。
無料相談会をいつでも開催しております。