続!値上げに負けない!エアコン&エコキュート「超」節約術!
こんにちは。デザインHIRAYAのシンクホームです。
先日にも電気代削減についてのブログ記事(値上げに負けない!電気代節約術! |)をあげさせていただきましたが…
大手電力会社が4月から値上げをすることになり、電気代高騰による家計への影響がさらに顕著になっていくと予想されます。
新築ではオール電化がかなり浸透して、私たちシンクホームのお客様もほとんどの方がオール電化住宅にしておりますが、やはり電気代高騰については不安を抱いている方が多い印象です。
先月に続き電気代のお話となってはしまいますが、皆さんの関心度の高い「節電」について、より内容を絞ってお話をしたいと思い、今回のテーマとさせていただきます。
皆さんは、「節電」と聞いてまず何を節約するのが良いと考えますか?
人それぞれ答えは違うかもしれませんが…
おそらくほとんどの方が、「エアコン」のことを思い浮かべるのではないでしょうか?
4月の値上げ後から夏を迎えるにあたり、冷房にかかる費用は気になるところ…
それに、現時点でもエアコンをメインの暖房機器にしている方には気になる話題なのではないでしょうか?
また、オール電化住宅における電力消費で一番多い割合を占めている設備機器をご存じですか?
それはずばり…エコキュートです!
ということで、今回のテーマは、エアコンとエコキュートです。
一般家庭での機器別の消費電力量において、2つの機器を合わせてなんと50%以上を占めるのがエアコンとエコキュート…
最も大きな消費電力量を占めるこの2つの機器について、効率の良い、省エネな使い方を学んで、より節電効果の高い方法を実践していきましょう。
今回は、皆さん気になるエアコンの“あの問題”についても触れます…
<INDEX>
・エアコンの効率的な使い方を知る前に知っておいて欲しい3つのポイント
・なぜ「つけっぱなしはお得」なのか?もっとエアコンの高効率化を考える!
エアコンつけっぱなし問題に終止符を!?
数年前から世間で噂されている“あの問題”…
皆さん気になっている方も多いのではないでしょうか?
そうです。
「エアコンはつけっぱなしの方が電気代が安くなる」問題です。
24時間毎日とまではいかなくとも、噂の真偽とは別に、夏はほぼほぼつけっぱなしにしている方も多いのではないでしょうか?
「小まめにON/OFF」するのと「つけっぱなし」にするのとでは、どちらの方が電気の使用量が少なくてお得なのか…
あまりもったいぶらずに、結論から申し上げますと…
「つけっぱなしの方がお得」です。
答えが分かったから、じゃあもういいか…とは思わないでください。
本当に節電効果を考えた使い方をしたいのであれば、エアコンの電力の消費の仕方や正しい使い方を知る必要があります。
それでは、お話を進めていきます。
エアコンの効率的な使い方を知る前に知っておいて欲しい3つのポイント
当たり前と言えば当たり前のことですが、改めて知っておいて欲しい3つのポイントをお伝えします。
ポイント1:冷たい空気と暖かい空気
空気の密度は温度によって変化し、冷たいと密度が高く、暖かいと密度が低くなります。
つまり…
エアコンの冷房による冷たい空気は部屋の下に溜まりやすい。
暖房による暖かい空気は部屋の天井付近に溜まりやすい。
ということです。
ポイント2:日光は熱エネルギ―の塊
窓から入る日の光は熱エネルギーの塊です。
太陽光の日射熱をW換算すると、南面の冬季平均値で300W/㎡、夏季平均値で800W/㎡
(気候等様々な条件によって変わります)
例えば…
大きさ20㎡で日射熱取得率50%の南向きの窓‐冬の場合
20㎡ × 300W × 0.5 = 3000W
3000W分の熱量が窓から取り込まれます。
つまり、1000Wの電気ストーブ3台分が窓で稼働しているということになります。
(気候や窓、その他性能などの条件により計算方法、結果の数値などは異なります)
ポイント3:湿度と体感温度の関係
体感温度とは、測定された気温とは異なる、実際に人それぞれが感じる暑さや寒さのこと。
気温や湿度、風、気流や放射熱など、様々な要因により変化する体感温度ですが、その中でもとりわけ大きいのが「湿度」による影響です。
湿度が高くなれば実際に体感する温度は高くなりますし、低ければ低くなります。
3つのポイントを知り、効率的なエアコンの使い方を知る
先ほどの3つのポイントを確認していただければ、おのずと答えは見えてくるかと思います。
冷気と暖気…窓からの熱…湿度…
以下、冷房と暖房の場合でまとめました。
冷房の効率的な使い方
・エアコンの風向は上向き
・窓からの日の光をしっかりと遮蔽する
・除湿機能などを使い、湿度を下げる
暖房の効率的な使い方
・風向は下向き
・窓からしっかりと日の光を取り込む
・加湿器を使うなどして、湿度を高く保つ
いかがでしょうか?
当たり前のことではありますが、意識してエアコンを使っていなかったという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
また、窓からの日の光はとても大きな熱量を持っています。
先ほどは冬の場合の計算でしたが、夏には倍以上の数値になる試算です。
「夏にはしっかりと遮り、冬にはたっぷりと取り込む」
「パッシブデザイン」とも言えますが、自然エネルギーの力を最大限活用できると良いでしょう。
なぜ「つけっぱなしはお得」なのか?もっとエアコンの高効率化を考える!
改めて話を戻します。
なぜ「つけっぱなし」の方がお得と言えるのか…
それは、エアコンの電力消費の仕方を知れば分かります。
エアコンが多く電力を消費する時というのは…
室内温度や外気温と比べて、設定温度との差が大きい時です。
「運転開始直後」に最も大きく電力を消費する、とよく言われているかと思いますが、この「設定温度との差」が、一つの要因と言えます。
適温になったら切り、暑く(寒く)なったらつける「こまめにON/OFF」では運転開始の度に設定温度との差が開いてしまうために、電力消費が大きくなってしまいます。
そのため、「こまめにON/OFF」より「つけっぱなし」の方がお得だということが分かります。
ただし…
「24時間つけっぱなし」がお得かと言うと…そうではありません。
エアコン稼働中にも、もちろん電力は消費し続けるからです。
誰もいない外出中にもエアコンをつけているのはもったいないとは思いますよね?
また、外気温との差も関係してきます。
例えば、外出する際に「つけっぱなし」にするか「切っていく」のか…
「運転開始時に大きく電力を消費する」のは確かな事実なのですが…
朝出掛けて夕方帰ってくるまでの間に「稼働させ続けていく」のはお得なのかと言うと…
答えは、「お得ではありません」
「稼働し続ける電力量」の方が、改めて電源を入れて「運転開始させて使用した時の電力量」よりも上回ることになるからです。
詳しくはダイキン工業 (daikin.co.jp)|mission5-1 夏のエアコンつけっぱなし検証 をご参照ください。
上記の実証実験によると、30分程度の外出であれば「つけっぱなし」の方がお得、それ以上の外出の場合には「切った」方がお得と言えるそうです。
そして、外気温との差ですが…
設定温度と外気温の差が大きいと電力消費が大きくなりますが、逆に、差が小さければ「運転開始時の消費電力量」も小さくなります。
夏の冷房で考えた場合、夜間には外気温が低くなるので…
「つけっぱなし」にするよりも、夜間の場合には「こまめにON/OFF」の方が、消費電力が少なく済みます。
エアコンを使う上で室内温度や外気温のことを考えることが大切、ということもお分かりいただけたと思います。
30分程度、など数字も出してお伝えはしましたが、あくまでも目安です。
さまざまな環境要因などによって状況は変わってしまうので、参考にお考えください。
「つけっぱなし」は不正解!?結論!本当の最適解とは?
「つけっぱなし」がお得…「30分以上出掛けるなら切る」…
つまり、何が言いたいのかと言うと…
「エアコンはつけっぱなしがお得!ただし…必要に応じてON/OFFを使い分けることが、最も効率的な正しい使い方!」
…ということです。
基本的には「つけっぱなし」がお得という判断では良いと思いますが…日中の外出についてはなかなか判断の難しいところです。
東京電力の場合ですが…
WEBサービスで「週単位」や「日単位」、「時間別の電力使用量」も確認することできます。
細かなことですが、日々の使用量やエアコンの使用間隔をよく確認することで一番最適な方法を見つけていただくことが良いと言えます。
設定温度について、冷房なら「28℃」暖房なら「20℃」程度とよく言われますが…外気温や室温と比べて、あまり差が大きくなりすぎないように使うための目安として、“ちょうどいい”ということが分かります。
「冷房28℃設定が省エネ」と言われているのは、本当だったようですね。
ちなみに、この設定の数値を見てお気付きの方もいらっしゃるかとは思いますが、暖房の場合には冬の平均気温との差が大きいですよね?
冷房よりも暖房の方が消費電力が大きいと言われているのは、「この差によるもの」ということが分かりますね。
消費電力量No.1のエコキュート「超」省エネ節約術
エコキュートとは、大気の熱を取り込むヒートポンプユニットと貯湯ユニットからなる、夜間の電力でお湯を沸かしタンクに貯めておく給湯システムです。
オール電化に限らず、キッチンをIHではなくガスコンロにした場合にも給湯器はエコキュートを採用するケースが多いほど世に浸透している給湯システムと言えるでしょう。
お得とは言え、電気でお湯を沸かすにはやはりエネルギーが必要になります。
家の中での消費電力量で実に40%程度を占めるエコキュート…
そんな大きな割合を占めているからこそ、しっかりと使用方法や設定を学ぶことで、大きな省エネ効果を得ることができるようになります。
※尚、機器の機能や設定などについては、パナソニックのエコキュートでの名称を用いてご説明いたします。メーカー、製品などによって名称等が異なりますので、ご了承くださ
優秀だからこそ「無駄」がある!?
エコキュートは深夜電力でお湯を沸かしてタンクに貯めておき、その日の分として使用します。
例えば日中普段よりもお湯を使ってしまい、夜お風呂に入る時になって、お湯が足りなくなってしまう…「湯切れ」を起こしてしまうと困ります。
「湯切れ」の心配がないように、エコキュートは、お湯が足りなくなってきたと判断すると自動で「沸き増し」をしてお湯を作り足してくれます。
「さぁ、お風呂に入ろう」と思った時に湯切れをしていたら大変です。
「自動沸き増し」はとても便利ではありますが…
「足りないだろう」という判断は余裕を持って行われます。実際には足りるという場合にもエコキュート側の判断で「沸き増し」を行いますので、実はここに無駄が生じてしまいます。
それも、安い深夜時間帯ではない時間での湯沸かしなので、より電気代が掛かってしまいます。
それではどうすれば良いのか…
「沸き増し」しないように設定すれば良いのです。
無駄なく!お得な!エコキュート「設定方法」とは!?
「ピークカット」を設定しましょう!
「ピークカット」とは…使用電力量の多い時間帯に「沸き上げ」を行わないようにできる設定です。早い話が、朝~深夜時間帯までの間の「沸き上げ」「沸き増し」をしないように設定できるということ。
実際にはお湯が足りるのに「自動沸き増し」によって余分な電力を消費しないように「ピークカット」で時間帯を指定して「自動沸き増し」を停止することができます。
「ダブルピークカット」と言って、時間帯を2つに分けて指定することもできますが…単純に「自動沸き増し」をしないようにするだけであれば、細かくわける必要もないかとは思います…
「だけど、そうやって設定しておいて、湯切れしそうになったらどうしよう…」
そのために、「普段どのくらいの量のお湯を使っているのか」きちんと把握しておきましょう!
お湯を使ったり、止めたりした時に「浴室リモコン」または「台所リモコン」に「給湯量メーター」が表示されるかと思います。(※仕様をよくご確認ください)
「給湯量メーター」を確認して、日々どのくらいのお湯を使っているのか、どのくらい使うと湯切れの心配があるのかを、目安として知っておくことが大切です。
また、「給湯ガイド」で手動にて「お湯使用量」を確認することもできます。
※「給湯量メーター」は貯湯タンクの容量を超えて表示されることがあります。これは、保温や循環などにもお湯が使われているためです。※メーターの数値や使用量などはあくまでも目安となります。
いざ湯切れの心配がある時は、リモコン操作で「手動沸き増し」することもできます。
ただし、100Lのお湯を沸かすのに1時間程度かかるので、時間には余裕を持って沸き増しをするようにしましょう。
「ピークカット」とは別に、その都度日中の使用感などから判断して「自動沸き増し」をしないように設定することもできます。
それが『昼停止』の設定です。
「昼停止」を設定すると、その日の深夜、普段の沸き上げを行う夜間時間帯までの間の「沸き増し」を停止します。
「ピークカット」は一度設定しておけば毎日設定しなおす必要がありませんが、様子を見ながら、加減をしながら「沸き増し」をコントロールしたいのであれば、その都度「昼停止」を設定するのが有用と言えます。
「沸き上げ」中の場合リモコンに表示が出ます。
表示が出ていて、でもお湯は足りそうだな、と思えば「昼停止」を設定する、などの使い方でも十分に節約になると言えるでしょう。
そもそも…ちゃんと「夜間時間」に沸き上げしてますか?
電気代が安くなる、いわゆる深夜料金の「夜間時間帯」は各電力会社の契約内容毎に異なっていることをご存じですか?
23時から?1時から?それとも21時から?
その契約内容とエコキュートの沸き上げ時間の設定が合っているのか…
きちんと確認をしておきましょう。
もし時間の設定がずれているのであれば、「夜間時間帯」外の料金でお湯を沸かしていることになります。
電力会社の契約内容と併せて、確認をしましょう。
自然エネルギーの力!「ソーラーチャージ」活用術!
「太陽光発電システム」を設置されている方は、太陽光発電で昼間の「沸き上げ」を行うこともできます。
完全に昼間のみでの沸き上げに切り替えてしまうのでなく、夜間の沸き上げを減らして「夜間時間帯」と「昼間時間帯(ソーラーチャージの設定時間)」に分けて「沸き上げ」を行います。
「開始時刻」と「終了時刻」の設定と、「その日1回」か「連続して毎日」かが選べます。
気を付けなければいけないことが…
エコキュートでの沸き上げに必要な電力量よりも、発電される電力量が上回っている必要があります。
安定した沸き上げを行うには4~5kW程の発電量が見込めると安心でしょう。
天候などによって十分な発電が行われない場合、「昼間時間帯の電力使用」が発生しますので、その点についても注意が必要です。
翌日の天気をよく確認するなどして、上手に「ソーラーチャージ」を活用することで大きな節電を生むことができることでしょう。
また、機器によってはアプリなどとの連携により翌日の天気予報を自動で確認して「ソーラーチャージ」の設定をするかどうかを判断してくれる機能もあります。
電気代高騰によって、太陽光発電による電気は「売る」よりも「使う」方がお得になってきています。
「蓄電池」という選択も最近考える方が増えてきていますが、まだまだ高価な選択と言わざるを得ないのが現状かと思えます…
それでも、「蓄電池」が無くとも、エコキュートでの「沸き上げ」など活用方法はあります。
「どれだけ太陽光発電による電力を使えるか」を考えることが、「上手な節約・省エネ」への近道と言えるのかもしれません。
スタッフ邸「ソーラーチャージ」活用レポート
実際にシンクホームのスタッフ邸でエコキュートの「ソーラーチャージ」を使用した2日間と使用しなかった2日間での夜間電力使用量を比べてみました。
実験:ソーラーチャージ設定アリ・ナシをそれぞれ2日間での夜間の消費電力量の比較
2023年2月
ソーラーチャージ設定 | ||||
アリ | ナシ | |||
1日目 | 2日目 | 1日目 | 2日目 | |
消費電力量 | 19.9kW | 19.3kW | 24.6kW | 25.5kW |
※暖房機器に「蓄熱暖房」という夜間電力を利用した暖房機器を使用しているため、そもそもの使用電力量は多くなっております
平均でみると…
アリの場合:19.6kW ナシの場合:25.1kW となりました。
その差は5.5kW。
多いと思いますか?少ないと思いますか?
これを単純に1ヶ月分として×30日とすると、165kWになります。
もう少し分かりやすく、スタッフ邸での電気契約内容での計算で料金を出してみましょう。
先ほど計算で出た165kWでいくらお得になるのか計算します。
「燃料調整費額」は1月請求分での12.99円/kWで計算します。
2月請求分では国による補助が反映されているので、補助がない月での計算の方がよりリアルに感じられるかと思います。
スタッフ邸の電気契約内容:東京電力「スマートライフプラン」
夜間単価:17.78円/kW
試算参考月:2023年1月請求分
夜間時間電力料 : 165kW × 17.78 = 2,937円
燃料調整費額 : 165kW × 12.99 = 2,143円
再エネ発電賦課金: 165kW × 3.45 = 569円
合計 : 5,649円
いかがですか?
「ソーラーチャージ」の活用によって、5,000円以上は節約になる試算です。
あくまでも概算での調査結果ではあります。
天候などによっても左右されますし、全てのケースでこのような数値になるわけではありませんのでご了承ください。
それでも、これからまだ電気代が上がっていくということを考えれば、一つの「節約方法」として検討する価値はあるのではないでしょうか?
おわりに…
エアコンとエコキュート…
一般家庭で50%以上を占める消費電力量の2つの機器に絞って、「節約術」を説明いたしました。
電気代で大部分を占める2つの機器ですので、使い方や設定方法など、色々な見直しでかなりの「消費電力の削減」が期待できるのではないでしょうか?
設定方法などはお使いの機器によって異なります。
取扱説明書などをしっかりと確認してみてください。
実際には様々な要因により電力の消費量は変化します。
今回お話させていただいたケースもあくまで一例になるかもしれません。
それでも、改めて設定を取扱説明書や電力会社との契約内容など…見直して確認し、意識することで、大きな結果を生み出すことができるのでは、と考えます。
深く考えすぎるのもよくはありませんので、ご家族で楽しみながら考えてみることも、大切なことなのかもしれません。