『SDGsしません』宣言 -家づくりとSDGsと今知って欲しいこと-
こんにちは。
デザインHIRAYAの自然素材の家づくりのシンクホームです。
最近では様々な場面で目にするようになり、認知度も高まった「SDGs」
普段の生活の中でも、意識を向けられている方も多くなってきたのではないでしょうか?
改めて、SDGsとは…
持続可能な開発目標「SDGs:Sustainable Development Goals」のこと。
2015年9月、ニューヨークの国連本部にて「国連持続可能な開発サミット」が開催され、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、17のゴールから構成された国際目標で、環境問題や平和のことや教育などの社会問題、持続可能な産業化など多岐に渡ります。
2016年5月には日本でも推進本部が政府に置かれ、積極的な取り組みが始まっています。
日常の中で簡単に取り組めることと言えば…
エコバッグやリサイクル、節電すること、省エネ家電に買い替える、などでしょうか?
近年話題のミニマルな生活に見られる、必要十分なモノを永く大切に使い続けることも、SDGsへの取り組みと言えるでしょう。
ここで、
私たちは、『SDGs宣言をしないこと』を宣言します。
木のこと、自然のこと…
SDGsと家づくり、木造住宅のこと…
今日はそんなお話です。
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「木を切って使う」というエコ
「木を切る」ということにどんなイメージをお持ちですか?
「木を切ってしまうなんて、エコじゃない!」というお考えでしたら、それは間違いです。
まずは、「木を切る」「木材を使う」コトについてお話します。
「木を切る」とはどういうことか?
日本の森林面積は国土のおよそ7割を占めています。
その内の4割は人の手によって植林された人工林です。
その人工林では、間伐が問題になっています。
間伐とは、成長に伴い混み合いすぎた木々を間引くことです。
間伐をしないと、どうなるのか?
木々が生い茂ることにより林内に日が差し込まなくなり、下層の植生が育たなくなります。
そうなることで表層の土がむき出しになり、雨水などを貯える機能が低下してしまい、大雨に弱く、土砂災害を引き起こしやすくなってしまいます。
間伐を適切に行うことで、適度に林内に日の光を取り込み、下層の植生を繁茂させることで災害に強い山になり、生育を促すことにより、風や雪に強い太い木に育ちます。
植生の繁茂により、多様な生物の環境を守ることにも繋がります。
自然に任せすぎるのではなく、人の手を入れることで、環境を守ることに繋がるということがお分かりいただけましたでしょうか?
「でも、木は光合成でCO2を吸収してくれてるんでしょ?切ったらCO2が増えちゃうんじゃない?」
間伐問題と山林のサイクル
山林の保水力の低下と自然災害…
間伐の未実施により、山林の整備が行き届いていないケースが多いのが国内の現状です。
そして、すでにお話した通り間伐をしないことにより山林の保水力の低下を招き、さらには、近年の台風の大型化、大雨により、大きな災害に繋がってしまうケースがみられます。
樹木のCO2吸収量についてですが、樹齢40年~50年をピークに減少していきます。
ですので、適した時期に、適した範囲の樹木を伐採することは、自然環境を守るためにはとても大切で、絶対に必要な作業となります。
また、木材として使用する樹齢期も50年程度が最適と言われています。
伐採後には必要な植林を行い、生育を待ち、間伐を行い、木材として利用し、そしてまた植林をする…
この循環、サイクルを実現することがとても大切で、持続可能な開発(SDGs)のために必要なことと言えるでしょう。
どうすれば良いのかと言うと、林業の問題にもなってくるわけではありますが…
個人でできることと言えば、「木材を使うこと」です。
木材と言っても、もちろん国産材です。
輸入材、国産材、地域材…
国内の山林の環境を守るために必要な間伐を行うために、国産材の需要が増す必要があります。
国産材の需要が高まれば、間伐もより積極的に行われるようになり、植林→生育→伐採のサイクルが持続可能となっていきます。
また、SDGsを考えるのであれば、国産材の中でも地域材(お住まいの県産材のこと)を使うことが大切です。
それは、なぜか?
木材の輸送の際にもCO2が排出されるからです。
トラックなどで運ぶのですから当然ですよね。
輸入材の場合には船での輸送になりますから、なおさらCO2排出量が増えます。
輸送にかかるCO2排出量は、欧州からの輸入材と比べて国産材で1/5、地域材なら1/16と、排出をかなり抑えることができます。
どうでしょうか?
山林のサイクル、木材を使うことでの環境保護、重要性への理解を深めていただけたかと思います。
もしあなたが、SDGsを意識した家づくりをしたいと思ったのであれば、ここまでの話から「木造住宅を建てること」をお勧めます。
木造住宅は「第二の森林」-「炭素の貯蔵庫」とは?-
「木を使うこと」によるサイクルと環境保護についてはお分かりいただけたかと思いますので、「木造住宅を建てること」でのSDGsの実現に疑問は無いかと思います。
もう少し掘り下げて、「木を使うこと」「木造住宅を建てること」での環境配慮についてお話します。
そもそも、光合成によって樹木に吸収されたCO2は、「炭素」として取り込まれた後、ブドウ糖となり、幹や枝などを形成します。
つまり、樹木内に炭素を貯蔵するということになります。
そして、伐採され木材として使われ、木製品に加工された後にも炭素はそのまま貯蔵され続け、燃やさない限り、大気中には放出されません。
木製品は「炭素の貯蔵庫」となり、増えれば増える程に大気中のCO2を減らすことに繋がります。
木製品の中でも、木造住宅はとりわけ長く使われるモノになります。
このことから、木造住宅は「第二の森林」と呼ばれています。
炭素の貯蔵を、森のように、長期にわたり続けることができるからです。
また、木造や鉄骨など、住宅の構造には種類がありますが…
木造住宅の材料製造時にかかるCO2排出量は、他構造に対して、とても少ないとされています。
鉄骨を作るには高熱で原料を溶かす必要があるので、エネルギー消費に大きな違いがあるのは当然と言えます。
環境保護を考える上では、「木造住宅が断然エコでやさしい」ということが分かります。
ちなみに、できるだけ“地域材”を使いましょう、との話もありましたが…
地域材を使った家を建てることで、地域型住宅グリーン化事業という補助金をもらえる場合もあります。(他条件や要件の変更などがある場合もあります。)
せっかく「森」に住むのなら…?
「第二の森林」として炭素を貯蔵し続けるためには、永く安心して住み続けられる家であると良いでしょう。
せっかく「森」と呼べる家に住むのなら、心地良く、快適な家であって欲しいと、誰もが思うかと思います…
そのためには、性能はもちろんのこと、間取りなどの使い勝手についても考えて家づくりをする必要があります。
性能で言えば、断熱性能や気密性能などです。
断熱・気密の性能が良い家であれば、冷暖房率が良くなります。
冷暖房効率が良くなれば、電気代が安く済み、CO2排出量の軽減に繋がります。
使い勝手を良くすることで家事時間が短くなり、代わりに家族との時間や趣味の時間が増え、心に余裕が生まれます。
家事ラクでまず思いつくモノと言えば、食洗器などの便利な設備や、ファミリークローゼットなどの片づけやすい収納スペースでしょう。
このあたりは、ぜひ検討したい項目として皆さんお考えになるかと思います。
間取りについては、使い勝手が悪い場合には後々リフォームをしなくてはいけなかったり、老後に住み替えの必要が出てきてしまったり…将来どうなるかはもちろん分かりませんが、できるだけ先のことを考えた設計をすることが大切です。
子ども部屋をきっちり設けるのではなく、仕切りのない一部屋にして、使い方を色々と変えられるように作るなど…
あくまで例えですが、このような考えで家づくりをすることが、先を考えた設計の一つと言えるでしょう。
シンクホームが取り組んできたこと…
私たちは、素材の良さ、木のぬくもりを感じられる家を建てています。
梁を魅せるように…
時には天井を板張りにしたり…
その中でも、標準採用としてご提案しているのが、無垢の床です。
無垢ですので、もちろん天然の木です。
通常使われる合板フローリングは、何枚もの板を貼り合わせたり加工をされています。
そのために接着剤を使いますが…
接着剤などの化学製品を作るのには、製造時にCO2の排出を伴う環境コストが掛かります。
無垢の床であればそのような加工を必要としないため、環境にやさしいと言えます。
また、その他の素材についても、環境に配慮した建材を使用しています。
壁紙には、ビニールクロスを原則使わず、綿を主原料としたコットン壁紙を使い…
耐震性を高めるための耐力面材という建材も、珪藻土や消石灰などを原料にしたものを採用しています。
断熱材についても、全国的に最も普及しているのは「グラスウール」と「ウレタンフォーム」ですが…化学製品のためもちろんCO2の排出を伴う環境負荷が掛かります。
私たちシンクホームでは天然繊維系の断熱材を標準採用しています。
「羊毛」や「木質繊維」の断熱材です。
例えば「グラスウール」は高熱でガラスを溶かして繊維状にするために、その過程でCO2を多量に排出しますが、天然繊維系ではそのような工程がないために各段に排出量に差があります。
さらに、環境負荷が掛からないだけでなく、+αの負荷価値を得られるのが「天然繊維系断熱材」のもう一つの良さです。
「羊毛」には室内の生活臭やホルムアルデヒドなどの有害物質を吸着して、空気をキレイにする効果があり…
「木質繊維」には、熱容量という熱を蓄える力が高く、熱くなりにくく冷めづらいという特徴があります。
いずれも、性能とは別の、心地よさを生みだすメリットと言えます。
素材にこだわることで、環境に配慮した家づくりができるだけでなく、住み心地についても良い家を建てることができます。
私たちは20年以上にわたり素材にこだわった家づくりをしています。
そのために「赤ちゃん基準の素材選び」を掲げています。
赤ちゃんに安心の素材であれば、誰が使っても安心という考えからの想いです。
それは、なるべく化学製品を使わない、自然由来の素材を選ぶということです。
つまり、ここまでの話で分かる通り、製造過程においてもエネルギー消費を抑えた、環境に配慮されたエコな建材を選んで使ってきたということです。
おわりに…
いかがでしたでしょうか?
家づくりとSDGsのお話でした。
私たちは以前から、環境に配慮した家づくりを行ってきました。
そして、これからも変わらずに、「本当の心地よさ」を感じられる家づくりを提案していきます。
ポーズだけの宣言はいたしません。
私たちには「人にも、自然にもやさしい家を建てている」という”自信”があるからです。
地球環境のこととなると、規模が大きすぎて難しい話ではありますが…
もし、少しでもSDGsに興味があるのであれば、これからの未来のためにも、まずはできることから始めるのが良いのではないでしょうか?
家づくりでいえば、他にも、以前別のブログでもお話した「太陽光発電」の活用により、より環境に配慮した家づくりができます。※参照:ブログ記事「太陽光のホント!? ‐載せるべきか?載せないべきか?‐」
SDGsの実現に向けて、本当に大切なことは、これらが当たり前になることです。
わざわざ宣言をするまでもなく、環境、社会、産業などが、安心かつ安全に、持続可能な世の中になることです。
個人個人小さなことからでも、始めましょう。
その中ので、「宣言すること」も、確かな一つの方法ではありますね。
最後に…
「環境にやさしい=省エネ=節電=家計にやさしい」です。
私たちは、自然素材のやさしい家づくりをしている住宅会社です。
まずはお気軽にご相談ください。