北欧のデザインはなぜ愛されるのか?-ミニマルな暮らしとは?-
こんにちは。
デザインHIRAYAのシンクホームの割田です。
今日は北欧デザインとシンクホームの家づくりのお話です。
みなさん北欧は好きですか?
シンクホームで家を建てたオーナーさまの中でも北欧好きな方は多く、中にはフィンランドまでムーミンパークのために訪れた方もいらっしゃいます。
2024年には前橋市に北欧スウェーデン発の家具メーカーIKEAがオープン予定。
一体何年前から待ち望んでいたのか、ようやく進展がみられ、楽しみにしている群馬県民は多いのではないでしょうか?
また、デンマーク発の雑貨ブランドであるフライングタイガーコペンハーゲンのショップもイオンモール高崎内にオープンしており、群馬での北欧熱が盛り上がりを見せるのでは、と期待をしております。
なぜ、北欧はここまで日本人に愛されるのか?
北欧と日本には共通点が多い、という話をよく聞きますが…
本当にそれだけなのでしょうか?
最近は北欧風住宅を建てる住宅会社も増えてきました。
私たちシンクホームでは、北欧風とはうたってはおりませんが…
北欧らしい暮らしのできるお家を建てています。
そんな家づくりについてもお話させていただきます。
まずは、北欧と日本のお話から…
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北欧と日本の共通点…?
北欧諸国と日本には共通点が多くあるという話を聞きます。
実際に、そこで挙がっている共通点とは何なのかを、まずはお話いたします。
◎森林面積がほぼ同じ
スウェーデン、フィンランド、そして日本…
国土に占める森林面積が約70%と、世界でも断トツにこの3ヵ国が多く、自然とともに過ごしてきたということが分かります。
特にフィンランドは標高の高い山は少なく、森との距離がより生活圏に近いため、休日はハイキングに行くなどの自然と触れ合う習慣が身についています。(「エブリマンズライト」という、簡単に言うと「キャンプし放題」な法律もあるそうです)
◎北欧デザインとわびさび
北欧デザインの特徴の一つとして、無駄を省いたシンプルなデザインがあります。
今は様々なデザインに溢れている現代ですが、「無駄を省いてシンプルに」という考えは、日本古来の“わびさび”の考えと似ていませんか?
華美に飾るのではなく、控えめで、ナチュラルに…
北欧のデザインがここまで浸透したのには、日本人に古くからある“わびさび”の心が、根本にあるのではないでしょうか?
◎真面目、シャイ、集団を大切に
日本、スウェーデン、それとドイツ…この3ヵ国は世界的に見て、真面目な国民性という印象があるようです。
スウェーデン人は時間厳守で、日本人との感覚は近いと言えます。
また、北欧諸国の人々はシャイな面もあり、初対面でもハグするイメージの欧米人とは違います。
デンマークでは個人主義な面よりも集団を大切にした考えがあり、このあたりも日本人と近いと言えます。
それでも、個人としての考えはしっかりと持ち、尊重するという傾向があるようです。
地域にもよりますが、国民性として日本人に近い感覚があるということはお分かりいただけたかと思います。
◎裸の付き合いに抵抗がない?!
サウナ文化があることはご存じでしょう。
日本の銭湯・温泉などの文化と同じように、家族、友人同士での裸の付き合いが当たり前のように根付いています。
家族でサウナを楽しむなどの習慣もありますが、年頃の娘さんは父親とのサウナを「もうパパとは入らない!」となるそうです…
この辺りのお父さん事情も日本と共通と言えますね。
◎他にも…
木造家屋が多い、北欧諸国の大部分は日本と同じ立憲君主制、フィンランド語はローマ字読みに非常に近い発音など…
この辺りは多少こじつけもあるような感じにはなってきますね…
北欧の街並みは歴史あるレンガ造りの建物がほとんどですが、郊外にある住宅は木造住宅が多くみられます。
また雪が降ることが多いため、雪を落としやすい少し傾斜のついた三角屋根が特徴と言えます。
三角屋根と言えば、世界遺産であるノルウェー・ベルゲンの「ブリッゲン地区」にある三角屋根の木造の倉庫群は、街並みの美しさから一度は訪れてみたい場所ではありますね。
確かに感じる親和性とは?
何がここまで北欧に惹かれるのか?
共通点の話をさせていただきましたが、正直最後にもあるようにこじつけであるように感じてしまうかもしれません。
それでも確かに北欧と日本には親和性が感じられるでしょう。
それが、やはりデザインとその考え方においてです。
デザインから見る「ミニマリズムと日本人」
北欧のデザインの特徴として、無駄なくシンプルなデザインと述べさせていただきました。
また北欧では家具などを親から子へ、子から孫へと受け継ぎ、大切に使うという習慣があります。
余計なものを排除しつつ、自分たちで選んだモノを大切に、永く大切に使う…
これこそが本当のミニマルな暮らしと言えるでしょう。
近年こそ、ミニマルな暮らしにスポットが当てられ、ミニマリストと言われる人々が日本で増えてきたと思います。(前回の記事でもお話しましたが、あまり行き過ぎた考えは…)
しかし、そもそも日本人は、古来よりミニマルな考えがあったのではないでしょうか?
それが先ほどお話した“わびさび”です。
イメージとしては茶の湯の世界の話のようにも感じる方も多いかと思います。
わびさびとは、色々な考え方もありますが、「経年の変化によってさびれていっても、その中にまた違った美しさがあり、その変化を楽しもう」ということだと考えます。
そう考えると、日本人として古くからのモノを大切にする心が、自分たちの中にも息づいている、と感じられませんか?
また、違った観点かもしれませんが、室町時代の絵巻が伝える「付喪神の百鬼夜行」も、モノには魂が宿るから、永く大切に使おうという、日本人の古来よりの教えなのではないでしょうか?
欠けたお椀やお皿を金継ぎして…
古民家をリノベーションして…大切に使い続ける。
古くなったモノにも愛着を持って、大切に…
日本人にも、北欧にみられるミニマルな考えが、教え、伝えられ、根付いているからこそ、北欧の暮らし、北欧のデザインが広く愛される結果となったのだと考えます。
北欧の家と日本の住宅事情…
北欧の住宅は厳しい冬の寒さを乗り越えるために、断熱や気密の性能をしっかりと考えた家づくりを古くからしています。
北欧に限らず、西欧諸国はそのような家づくりをしており、住宅の耐用年数が100年を超えていることもあり、長く住み続けられる家と言えます。
対して日本はどうかと言うと…
日本の住宅の耐用年数は25年~30年ととても短く、古くなったら建て替える、というのが住宅に対しての一般的な認識となっています。
これには理由もあり、戦後からの高度経済成長に際し、住宅が圧倒的に足りないという現状がありました。
そんな中、建築技術の向上などもあり、国が進めていったのが、住宅の規格化です。
工期を短く、価格も抑えたプレハブ型住居が大量に建てられ、そして、それが一般的な住宅として浸透していきました。
また、 『玄関の脇に階段があり、二階の南東に子ども部屋2つと北側に主寝室』と言えば、なんとなく間取りのイメージができますでしょうか?
住宅の規格化に伴い、このような子ども部屋メインで考えられた間取りプランが多く広まっていきました。
しかし、そうした間取りは子どもが自立した後は物置小屋…そして、老後には使い勝手が悪く、リフォームするにも勝手が悪いケースが多い…だから、結局は建て替える必要がある…
海外では、中古住宅市場は盛んで、自分たちでDIYしながら大切に暮らす、という文化が根付いている国も多く見られます。
日本では、上記のような背景から中古住宅市場は決して盛んではありせん。
最近の住宅価格高騰により、中古住宅をリフォームして暮らすという方も増えてきている印象ですが、まだまだ大きな課題と言えるでしょう。
住宅に関しては、このような事情により、ミニマルな日本人の精神が失われているとも言えますね。
長く住み続けられる長期優良住宅の認定から、2022年の断熱性能基準の見直しなど、国としても法整備などが進められております。
日本人としてのミニマルな暮らしをしていく上で大切な、永く住み続けられる家づくりをしていくことが、これからの住宅会社の課題と言えるでしょう。
シンクホームの家と北欧の暮らし
私たちは、永く住み続けられる家づくりを心掛けています。
性能についてはもちろんですが、使う素材や間取りの考え方、ご家族の将来にわたるライフプランのことまで含めて考えた家づくりをしています。
ご家族の考え方にもよりますが、子ども部屋についても明確な個室として仕切るのではなく、後々の生活のことも考えて、色々な使い方に変えられるような設計を心掛けています。
北欧の暮らしのように、ミニマルな、永く大切に住み続けられる家です。
事実、北欧好きであったり、ミニマルな暮らしをされているお客さまに、シンクホームをお選びいただいているのは、私たちの想いに共感いただけたからであると考えています。
(もちろん、北欧好きでない方も、ミニマリストではない方もいらっしゃいます!)
またデザインについても、飽きのこない、「ずっと好きでいられる家」をご提案しています。
もちろん、流行りの片流れ屋根の家を建てることもできますが、古くから日本にある切妻屋根や寄棟の屋根の家をご提案することが多いです。
そのデザインが、日本人に古来より馴染む、愛されるデザインであると考えるからです。
先ほど「ブリッゲン地区」の三角屋根と併せて、北欧では三角屋根の家が多いとのお話をさせていただきましたが、北欧好きの方は、知らず知らずの内に、こうした切妻の三角屋根に北欧らしさを感じて、シンクホームに足を運んでいるのかもしれません。
もしかしたらですが…