高気密に潜むリスク!天然の羊毛「サーモウール」でサステナブルな家づくり
高気密に潜むリスク!天然の羊毛「サーモウール」でサステナブルな家づくり
夏は暑く、冬は寒い群馬県。
エアコンのない家づくりの現場では、気温の変化を特に強く感じます。
そんな現場で、ある職人さんがこう言いました。
「この断熱材は体感温度がちがうね。この猛暑でも、室内の空気がさらっとしてるべ」
多くの現場を経験しているベテラン職人さんだからこそ、本当に良い質の良い素材だとわかったのだと思います。その後、職人さんはご自宅を建てる際に、その断熱材を使った家づくりをリクエストされました。
この断熱材は、天然の羊毛を使った「サーモウール」と言います。
今回のブログではプロも認めた断熱材「サーモウール」のすごさを解説したいと思います!
1.F☆☆☆☆建材は安全、って本当?
断熱材というと、断熱性能はもちろんですが、安全性を気にされる方が多くいます。現在は使用が禁止されている「アスベスト」が問題になったように、使用する素材によっては人体への危険性やリスクが高いものがあるからです。
最も多く流通している断熱材は「グラスウール」ですが、グラスウールは肺疾患や皮膚炎などのリスクがある素材だということはあまり知られていません。
また、ホルムアルデヒドの発散濃度が少ない「F☆☆☆☆(エフ・フォースター)建材」も注目されていますが、ホルムアルデヒドは「少ない」だけで、「ない」わけではありません。断熱材に含まれたホルムアルデヒドは少しずつ揮発し、放出されているのです。
2.高気密はメリットばかりではない!
そうした断熱材の事情を考えると、近年の「高気密高断熱」の高性能住宅には少し不安があります。高気密であればあるほど、放出されたホルムアルデヒドの逃げ場がなくなってしまうからです。
高気密高断熱の住宅は、屋外の気温や湿度を遮断できるメリットはありますが、ハウスダストやシックハウス症候群のリスクは高まると言われています。
日本には四季があり、梅雨の蒸し暑さなどをしのぐためにも「風通しの良い家」が作られてきました。地球温暖化の影響もあるため、昔の家の基準がいいわけではありませんが、様々な要素のメリット・デメリットを考えて家づくりをすることが重要です!
3.シンクホームの答えの一つが羊毛断熱「サーモウール」
断熱効果と安全性・・・それらを考慮し、シンクホームでは天然の羊毛断熱「サーモウール」をおすすめしています。サーモウールとは、その名の通り羊の毛を加工した断熱材で「夏はさらさら、冬はぬくぬく」の室内を実現します。
サーモウールの最大の特徴は「結露しにくい断熱材」だということです。昔から羊毛は調湿性に優れた繊維として知られています。今でも登山家の人たちは汗や結露の水分から凍傷になるのを防ぐため、羊毛の肌着を着ているそうです。
断熱材の結露を防ぐことで断熱性能の劣化を防ぎ、カビやシックハウスなどを予防できます。まさに、四季の変化があり、梅雨時期がある日本の住宅にぴったりな断熱材だと言えるでしょう。
さらに、羊毛には消臭効果もあります。汗やたばこなどの気になる臭いを消してくれる効果は、住宅の断熱材として使う上でうれしいポイントですね。現代では消防士の服や航空機・新幹線のカーペットなどのタフな使い方をする場所で使われていることからも、頼もしい耐久性と効果があることがお分かりいただけると思います。
4.お家づくりはバランスが大事
羊毛断熱のすばらしさをお伝えしましたが、デメリットもあります。それは価格の高さです。国内工場で生産され、妥協せず作られる断熱材「サーモウール」は、他の断熱材と比べてコストが掛かります。また、施工できる会社は多くありません。
私たちは、お客様のご希望の予算に合わせた家づくりをするために、「バランスをとること」が大切だと考えます。お家づくりはこだわればこだわるほど素敵な家ができますが、そのせいでライフプランが崩れてしまったり、家族が無理をして生活が成り立たなくなってしまえば意味がありません。
とはいえ、お家の中の断熱材はなかなか取り換えることができませんので、できれば最初からこだわってほしいポイントではあります。シンクホームではお客様のご希望に合わせた間取り設計や、フィナンシャルプランナーへの相談などもご提案しておりますので、ご要望の際はお気軽にご相談ください。
天然の羊毛素材から作られる断熱材は製造から使用、廃棄までサステナブルな建材です。今後もシンクホームは、長く安心して住まうことができる「未来を支える家づくり」を皆様にご提供していきます。