デザインって何?‐住宅のデザインを考える‐価値のある家づくりって?
こんにちは。デザインHIRAYAのシンクホームです。
私たちは、家づくりにおける大切な要素として、性能と素材感はもちろんのこと、デザインについても重要な点として考えています。
今日は、住宅のデザイン、住宅の価値についてのお話です。
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住宅の価値とは…?
あなたはどんな家を建てたいですか?
日本の住宅は、高度経済成長からの需要増加によりプレハブ型の規格住宅が当たり前になりました。
1階にリビングと和室、2階に寝室と子ども部屋のよくある2階建て住宅です。
住宅の価値とは、何でしょうか?
耐震や断熱などの性能は、もちろん価値と言えるでしょう。
長期優良住宅の認定を受けた住宅は、後々にも価値があると認定を受けた優良な住宅です。
しかし、築30年の規格住宅を、性能は保証されている長期優良住宅だとは言え、あなたは欲しいと思いますか?
住宅の価値とは、デザインであると考えます。
性能はもちろん大事ですが、かっこいい、良いデザインの家ならば、築年数が経っていても欲しいと思えます。
では、どんなデザインの家が良いのか?
最近流行りの四角い箱型や片流れ屋根は、これからも価値のあるデザインと言い切れるでしょうか?
デザインには流行り廃りがあり、数年前まではかっこいいと思われていたモノが現在ではそうでもない、ということはよくあります。
デザインの流行と廃り
少し、デザインのお話をします。
企業のロゴマークデザインの変遷をみてみると、分かりやすく面白いでしょう。
一例として、1971年にシアトルから始まったスターバックスコーヒーのロゴデザインの変遷です。
※左から1971年、1987年、1992年、2011年のロゴデザイン
ロゴデザインの場合には、企業としてのブランディングや知名度など様々な背景により変化していきますが、一番の目的は認知のしやすさでしょう。
ひと昔前までは、ロゴマーク自体にどんな企業なのかのイメージを集約したデザインや、企業としての力強さや高級感、親しみやすさなどを盛り込んだデザインが流行っていたようです。
スターバックスの例では、企業としての知名度が上がり、より認知のしやすさを考慮したシンプルなデザインへと移り変わりました。(ロゴに描かれているのは“船乗りを魅了する伝説上の海の怪物「セイレーン」をイメージしたモノだそうです”)
その他の企業についても、分かりやすく、伝わりやすく、シンプルなデザインになっている傾向があります。
デザインには、流行があります。
しかし、その一方で不変のデザインというモノもあります。
永く愛される「不変のデザイン」
「カリモク60」をご存じですか?
愛知県刈谷市の刈谷木材工業から始まった、カリモク家具のブランドの内の一つです。
1962年に国内販売用家具として自社生産されたカリモクの家具第一号「Kチェア」、旅館のロビーや中小企業の応接間などの法人需要で支えられた不朽の名作椅子です。
2002年、ロングライフデザイン活動家として活動するデザイナーのナガオカケンメイが手掛ける「60VISION」への参加により「カリモク60」としてブランディング。(「カリモク60」を皮切りに「60VISION」が始まった)
誕生から60年が経つ現在も、変わらぬデザインで若者からの人気も高い「Kチェア」の他、カリモク家具を支え続ける不変のデザイン家具がラインナップを支える。
「カリモク60」というブランディングで注目を集め人気となった「Kチェア」ですが、デザインに変化があったわけではありません。
そもそものデザインに惹かれるモノがあったからこそ、あらためてスポットを当てられて人気になったということです。
※シンクホームのオーナー邸で愛用されているカリモク60の「Kチェア2シーター」
大切なことは、愛されるデザインであること
伝統美や機能美…
変わらぬデザインで、今もなお、愛され続けるモノがあるということがお分かりいただけたかと思います。
それでは、住宅のデザインの話に戻ります…
どんなデザインの家が良いのか?
答えは、ここまででなんとなく分かったハズです。
それは、愛されるデザイン…
日本人の心に響くデザインである、ということです。
古民家や町屋をリノベーションして住宅や店舗などとして使うのを、以前から見かけますよね?
それは、性能でどんなに劣っていても、デザインに価値があるからです。
日本の古くからの伝統美に、我々日本人は惹かれ、時には落ち着きややすらぎを感じるからです。
何十年経ってもデザインに価値があるから、欲しいと思う人がいるということです。
日本人の”伝統美”
日本の伝統的な家には「中間領域」がありました。
「中間領域」とは家のナカでもソトでもない空間のことで、縁側や濡れ縁、土間などです。
朝、縁側に出て、風が運んでくる匂いによって、季節の変化を感じる…
土間があることで、室内との明確な区切りに「間」が生まれ、視線の広がりも感じられる…
家のナカとソトをゆるやかにつなぐ中間領域は、室内と庭や景色との一体感を生みだします。
日本の伝統美と言えば、三角屋根。
いつの時代も三角屋根の下に日本人の営みがありました。
夕暮れ時、帰路にくっきりと現れる三角形の屋根、障子を通してぼんやりと浮かび上がる室内の明かり…
伝統的な日本の家の佇まいには、いつでも心を惹かれます。
本来、日本人は美しい家を建てる民族です。
西欧からの文化に影響を受けながらも、そのつど、あたらしく吸収した建築様式をオリジナルなものへと昇華し、独自の文化を築き上げてきました。
古民家や町屋を活かし、リノベーションする取り組みが近年増えてきたとのお話をしましたが、そういった現象も、日本人が伝統的な住まいの美しさに改めて気づいた結果だと言えます。
そして、日本人のDNAとして、愛されるデザインがあると言えるのではないしょうか?
私たちがご提案する「価値」
私たちシンクホームは、性能…素材…間取り…
そして、資産価値についても考えた家づくりをしています。
価値のある家とは、30年後も笑顔でいられる、好きでいられる家だと考えるからです。
そのために、私たちはデザインHIRAYAを建てています。
シンクホームのご提案の内に日本の伝統美を活かした「casa basso」「casa amare」「casa piatto」という家があります。
晴れでも雨でも心地いい平屋
「casa basso(カーサバッソ)」
建築家・柳瀬真澄氏によりデザインされた平屋。
「家の内部でも外部でもない、中間領域を大切に考えたい」という想いを体現。
広い間口とデッキ、深く長い軒と勾配天井により、家のソトとの空間の区切りを曖昧にし、つながりを生み出す。
また平屋ならではの屋根のカタチを活かした空間づくりは、もっとも高いところで4m超の天井高。
室内はより伸びやかな印象となり、水平方向への視界が、中間領域と見事に溶け合う。
三角窓の愛すべき日本の家
「casa amare(カーサアマーレ)」
日本の誇る伝統美と革新が融合した美しい家。
奈良の法隆寺をはじめ伝統建築に採用されている大和比という比率がある。
日本人が自然と美しいと感じる、大和比を有した切妻屋根、障子や土間…
平屋のようなつくりでありながら、大きな吹き抜けでつながる2階部分。
趣味や収納、くつろぎの空間など…時代の変化に合わせて、100年経ても美しい「あたらしい」日本の家。
暮らしがつながる、永年満足の平屋
「casa piatto(カーサピアット)」
日本古来のつながりのある暮らしを活かした、永年満足の平屋。
平らでどっしりとした屋根が安心感を生み、高さのない安定した住宅構造は、地震の多い日本の風土に適した住まいと言える。平らに見える屋根は寄棟造であり、切妻に次いで日本で多くみられる屋根である。
古くからの家の中心である囲炉裏のある部屋を、リビング&ダイニングに見立て、家族のつながりを大事にデザインされた平屋となっている。使い勝手も考えた収納力やウッドデッキへ長く伸びる軒が特徴。
あなたの好きなデザインは何ですか?
日本人に古来より愛される伝統美は、好みとは別の感覚…
落ち着き、やすらぎ、安心…雰囲気が良い…と思えるデザインと言えます。
そんな、「素敵だな」と皆に思ってもらえる家を建てることが、価値のある家づくり…
ひいては、ずっと永く、好きでいられる家づくりであると、私たちは考えます。
デザインには、もちろん好みがあります。
良いと思うモノがあれば、気に入らないモノもある。
四角が好きな人もいれば、三角が好きな人もいる。
あなたが、永く、ずっと好きでいられる家であると思えることが一番です。
あなたは、どんな家で暮らしたいですか?