長期優良住宅って何?-メリットと低炭素住宅との違いとは?-
家づくりを始めて色々と調べていくとよく分からない単語が多いですよね?
その中で、よく目にする『長期優良住宅』について、今回はお話します。
〈INDEX〉
長期優良住宅とは?
長期にわたり良好な状態で使用するために、大きく分けて以下の5つの措置が講じられた住宅を指します。
① 長期に使用するための構造及び設備を有していること
② 居住環境等への配慮を行っていること
③ 一定面積以上の住戸面積を有していること
④ 維持保全の期間、方法を定めていること
⑤ 自然災害への配慮を行っていること
上の5つの項目を満たしていることで、長期にわたり、自分やその子ども世代が長く快適に、安心して住まうことのできるという認定を取得した住宅ということです。
長期優良住宅の認定を受けることで、税の特例措置や住宅ローン金利の引き下げ、補助金など、様々なメリットを受けることができるようになります。
長期優良住宅の認定基準は?
新築一戸建ての木造住宅の場合の5つの措置の認定基準は、主に以下のような内容となっています。
・防腐防蟻の処理や床下・小屋裏の点検方法の確保などの劣化対策
・耐震等級2以上の取得などの耐震性
・断熱等性能の省エネルギー性
・行政の定める地区計画などとの調和を図る居住環境
・住宅の構造や雨水の侵入を防止する部分などの維持保全計画 など
他にもいくつかありますが、基準に適応する性能に上げるための工事や設備などが追加で必要になる場合があります。
長期優良住宅のメリット?デメリット?
メリット
・税の特例措置を受けることができる
住宅ローン控除の対象限度額の引き上げ、登録免許税の税率引き下げ、固定資産税の減税期間延長など、一般住宅に比べて特例措置が拡充されます。
・住宅ローン金利の引き下げ
長期固定金利の『フラット35』において、『フラット35S』という金利優遇プランを利用することができます。
また、『フラット50』という、返済期間の上限が50年間、売却の際には購入者へローンを引き継いでもらうことができるプランも選択可能になります。
・地震保険料の割引き
耐震等級2で30%、耐震等級3で50%など、保険料の割引を受けることができます。
・補助金を受けることができる
『地域型住宅グリーン化事業』や、『こどもみらい住宅支援事業』などの補助金を受けるために、長期優良住宅が適用案件となっています。※各補助金には対象期間や他適用条件がありますのでご注意ください。
・快適な家に長く住めるという安心
長期優良住宅の認定を受けているということは、耐震や断熱、省エネ性などについてお墨付きをもらった、安全で、冬あたたかく夏涼しい快適な家であるということ。税やローンの優遇ももちろん大事ですが、家づくりにおいて始めに思い描く理想の家を手に入れるということは、なによりも一番のメリットと言えます。
デメリット
・技術審査や手数料が掛かる
認定を受けるための審査や認定手数料に10~20万円程度の費用が掛かります。
・定期的な点検・メンテナンスが必要になる
定期点検はそもそも必要なことなので問題はありませんが、長期優良住宅であるために、必要な時にはメンテナンスなど費用をかけて行う必要があります。抽出式ではありますが、行政により確認が行われる場合もありますので、その際に点検・メンテナンスの記録を見て、きちんと行われていないと認定を取り消されることもあります。
・建築コストが上がることもある
認定の基準を満たすために、必要な設備を導入したり、工事が増えたりとすると、建築費用が上がることもあります。
デメリットも挙げましたが、様々な優遇措置により十分にカバーできるとは思われます。
認定低炭素住宅との違いは?
長期優良住宅と似たような制度で低炭素住宅というものを聞いたことがありませんか?
こちらは二酸化炭素排出量を抑えて低炭素化を目指した住宅を認定する制度で、長期優良住宅と似ているようですが、認定基準に違いがあり、省エネ性については同様ですが、耐震性や維持保全計画などの基準はありません。
そして、税や住宅ローンについてはほぼ同じ内容の優遇を受けることができます。
補助金についても同様と言えます。
建築コストについては断熱性の確保や必要な省エネ設備程度なため、長期優良住宅ほどのコストアップは見込まれません。
長期優良住宅と認定低炭素住宅、どっちが良いの?
結論、どちらでも十分と言えます。そもそも低炭素住宅だからと言って、耐震性に不安がある家、というわけではありあません。基準にはないだけで、耐震性についてはしっかり確保しておけば良いだけです。
ご自分の家に、どこまでの性能を求めるのかによって、必要な認定を受ければ良いということです。
とは言っても、判断は難しいですよね。
そもそも、絶対に認定を受ける必要があるかと言うとケースバイケースですし、認定制度自体もこの二つに限ったものではありません。
まずはご自分がどんな家づくりをしたいのか、しっかりと住宅会社に相談しましょう。
お気軽にご相談ください。