在宅避難の“ススメ”
在宅避難の“ススメ”
『在宅避難』という言葉をご存じですか?
在宅避難とは、災害時において自宅に倒壊や浸水等の危険性が無い場合に、避難所には行かず、自宅でそのまま生活を送ることを言います。
その為にはもちろん、自宅に倒壊等の危険は無いかの見極めと、必要な備蓄があることが条件となっています。
最近は防災への意識が高まり災害時用の備蓄をしていらっしゃる方も多いかと思いますが、改めて、避難所と在宅避難のメリット・デメリットも含めてお話をさせて頂きます。
避難所
〇メリット
・学校の体育館など丈夫な建物が避難所として使用される為、倒壊等の危険性が限りなく低い。
・物資やトイレ等生活を送るのに必要なサポートを受けることが出来る。
×デメリット
・集団での生活の為、感染症のリスクが伴う。
・プライベートの確保が難しく、食事や消灯時間等様々なルールもある。
在宅避難
〇メリット
・集団生活では無いため、感染症のリスクは低い。
・住み慣れた自宅の為、ストレスを減らして生活を送ることが出来る。
×デメリット
・倒壊等の危険性が低いとは言い切れない。
・電気や水道等のライフラインが断絶する可能性もある。
・避難所よりも情報の収集が行いづらい。
上記にあるように、避難所と在宅避難はそのままメリット・デメリットが逆になるようなイメージです。
- 在宅避難では情報収集が行いづらいというデメリットもあります。
こうして比べてみると、在宅避難の方がデメリットも多く“ススメ”にはならないようにも思われますが、災害時、いつ今まで通りに生活を送ることが出来るのか、どうしても心細くもなり、不安の大きい環境において、少しでもストレスを減らして生活を送ることが出来るのは、とても大きなメリットだと思います。
その為には、必要な備蓄、準備をしっかりと行うことです。
それでは、実際に必要な備蓄についてのお話をさせて頂きます。
あくまでも目安になりますので参考に考えてみてください。
- 在宅避難における必要な備蓄
・飲料水 1人1日3ℓ(手洗い用にも使用)
・食料品
無洗米やレトルトご飯
レトルトカレーや即席麺など
缶詰や乾パン
ドライフルーツやチョコレートなど
・カセットコンロ1台とボンベを多めに
・手回し充電式ラジオ
・懐中電灯 1人1本 予備の電池も多めに
・スマートフォン等の携帯用バッテリー
・ゴミ袋やティッシュ、トイレットペーパー 多めに
・携帯用等の簡易トイレ
・歯ブラシ等口腔ケア用品
・アルコール消毒や固形石鹸
・常備薬や救急箱
・使い捨てカイロやアルミ製保温シートなど防寒用具
食料品などはキチンとストックを行い、その他の用品については防災用のリュックなどに入れて非常時にすぐに持ち出しが行えるように備えることが必要となります。
上記の備蓄については一例に過ぎません。
例えば乳幼児のまだ小さいお子さんがいるご家庭でしたら子供用のオムツなども必要になってくるかもしれませんし、各々のご家庭で必要な物や量を見極めてしっかりと準備をしておかなくてはなりません。
しかし、食料品については備蓄をしておくにも量が多くなります。
上記の飲料水についてだけでも、1人1日で3ℓ必要という目安があります。
これが4人家族で1週間分用意するとなれば、
4人 × 3ℓ × 7日分 = 84ℓ
2ℓ6本入りだとして、7ケース必要になります。
備えておくだけでもとても負担の大きいことだと思われます。
そこで、政府も推奨している食料備蓄法として『ローリングストック』というものがあります。
- 食料備蓄法『ローリングストック』
①日常的に食べている食品を普段より多く買い置きしておく。
(米、菓子類、缶詰、レトルト、飲料などの保存の効くもの)
↓
②買い置きした内の消費期限の早いものから食べる。
↓
③食べた分を買い足す。
↓
②~③の繰り返し
つまり、無理に備蓄の為に何かを用意しておくという方法では無く、普段から食べ慣れている食品をいつもより多く買って、食べたら買い足す。
常に家に備蓄として買い置きをしておくということです。
飲料水については備蓄としてある程度備えておく必要があるかと思いますが、1日3ℓの内、1ℓ分を普段から飲んでいるお茶やスポーツ飲料などに置き換えて考えてみると、少し負担は減るかと思います。
参考までに、飲料水のストックを1日2ℓでの計算だと…
4人 × 2ℓ × 7日分 = 56ℓ
2ℓ6本入りとして、およそ4.5ケースの準備が出来れば大丈夫ということです。
残りの2.5ケース分を普段から飲んでいる飲料に置き換える、というカタチになります。
また、実際の災害時に在宅避難での生活を送っていたとして、避難所でのサービスを受けらないという訳ではありません。
避難所に設置されたトイレなどはもちろん、在宅での避難が難しいと判断された際には避難所に移動するということも出来ます。
いかがでしたでしょうか?
ローリングストック法を含め、在宅避難についてのお話をさせて頂きました。
改めてお伝えさせて頂きますが、大前提として、ご自宅での生活に危険性が少ないと判断出来た場合のみのお話です。
その為には、安全な家を建てなくてはいけませんよね?
安全な家を建てる為にはまず土地です。
洪水の心配が無いのか…土砂崩れの心配は大丈夫なのか…
各市町村で配布等されているハザードマップでも確認が出来ますが、不安なことはお気軽にご相談ください。
土地についての心配事についてもしっかりと調査させて頂き、そこから安心・安全な家づくりを行えるよう提案・相談を進めてまいります。
食料の備蓄についても、パントリーや収納部屋を設けて日常必要なものから備蓄まで、十分な収納スペースが確保出来る提案をさせて頂きます。
コロナ禍で感染症についての意識が高まる中、多人数での生活はどうしても感染リスクは高まります。
更には災害時にはとても不安になりストレスが大きくもなります。
その負担を少しでも減らすことが出来るのが“在宅避難”となります。
“在宅避難のススメ”としてお話をさせて頂きましたが、危険度の見極めはもちろんのこと、ご家族間で“災害時にはどうするか?”というルールを事前にしっかりと考えておくことがとても大切になります。
皆様の素敵な“おうちライフ”に、少しでも参考になれば幸いです。